2025年(令和7年)7月

早いもので今年も7月になってしまいました。

ロシアによるウクライナへの軍事的侵攻が、いまだ出口の見えぬままに長く尾を引いている只中で、今度はイスラエルがイランに向けて攻撃を加えた、という報が、ある朝、新聞の見出しを飾っていました。そうしてイラン側は、その攻撃を受けて「徹底抗戦」を宣言したのであるが、その語の響きが、かつての時代に発せられた言葉と奇妙な重なりを見せて、私は思わず手にしていた新聞を折り畳みました。

アメリカという国の、その中心に今なお居座るかのような人物、トランプ大統領——ある種の扇動的言辞によって人々の心を大きく揺さぶるこの男の動静が、連日のように世界の情報網を駆け巡っている。トランプという名の背後にあるのは、いわばアメリカ合衆国の、圧倒的な経済的実力であり、そしてまた、それに支えられた一種の驕慢——いや、そう断じることをためらってはならぬのでしょう。

「アメリカ・ファースト」という、素朴なようでいて深く排他的なこのスローガンが、世界を右に左に揺さぶっています。日本の閣僚たちは、その都度、落ち着かぬ足取りで何度も海を渡り、ワシントンへと向かわねばならぬはめに陥っています。そして、あの「一つの大きく美しい法案」と呼ばれる大型減税・歳出案——それは下院を通過し、現在は上院での審議に移っているとのことですが、その内容は明らかに富める者にとっての恩恵であり、貧しき者たちにはさらなる困難をもたらす構造となっています。

私は思い出します。「永遠に続くものはない。ゆえに、続いている何かもまた、いずれ終わる」という、誰かが口にした言葉を。問題は、その「終わり」がいつ訪れるのか、そして、それがいかなる痛みを私たち人類に強いるのか——ということであります。その痛みが、私たちの想像を超えた地点にあるのだとすれば、私たちはなお、想像する努力をやめてはならないのでしょう。

そのような環境の中でも、支えてくださる皆様のおかげで、無事に新しい月を迎えることができましたことに、深く感謝申し上げます。これからはさらに変化が激しくなると予測されますが、私たちも柔軟に対応し、より良い未来を築くために一歩ずつ進んでまいります。

今月が、皆様にとって心豊かで安定した年となり、少しでも明るい希望を持てる瞬間が多く訪れることをお祈り申し上げます。どうぞ、今月もよろしくお願い申し上げます。

知らない間に馬齢を重ねてしまいました。親しかった友人が永遠不帰の旅に赴くことに出会う事も経験致しました。自分も今迄やってきた事を纏め整理しておこうと考えてこのホーム・ページを作成いたしました。私は1940(昭和15)、東京生まれです。早稲田大学で建築学を学び昭和40年に大学院修士課程を修了いたしました。井上宇市先生、木村建一先生に師事し建築設備を専攻いたしました。㈱大林組に入社し、丁度東京の清瀬にできた技術研究所に配属されました。昭和4648年ドイツ学術交流会(DAAD)の奨学生としてベルリン工科大学ヘルマン・リーチェル研究所に勤務することができました。なにも知らずに飛び込んだ外国の地で皆様に大変暖かく迎えられ、その交流は現在も続いております。外断熱の技術などを学んだのも当時のことです。昭和4812月に帰国、大林組に復職いたしました。平成5年に新設されたお茶の水女子大学生活科学部に呼ばれ生活工学講座で教鞭をとりました。平成18年に退職し、現在に至っております。(一社)日本断熱住宅技術協会の理事長をしております。http://www.nichidan.org/index.html昨年はアマゾンより、「ハインリッヒ・チレが描いた労働者階級のベルリン近代史ーヒトラー出現まで1巻、2巻」を電子出版致しました。
田 中 辰 明