〇暖房技術

大学の卒業研究は「パネルヒーティング」という床暖房に関するものであった。ドイツのKollmar/Liese著“Strahlungsheizung”を読み、その理論と実際が合うかという内容であった。大学の中に床暖房の実験装置を作り、実験したが工事が遅れ、コンクリートが十分に乾かないうちに測定をしなければならなくなった。結果は「理論と実験結果が合うと言えば合っている、でも違うところもある」といった怪しげな結論になってしまった。でもどうにか卒業させて頂けた。修士課程では「地域暖房に関する研究」を行った。「効率の良いボイラーと良くないボイラーが配管で接続されており、変動する熱負荷に対しどのように運転すれば経済的か?」と言う問題を「線形計画法(リニアプログラミング)」という解法を用いて説いた。現在ではPCであっという間に解ける問題に時間をかけて一生懸命行った。ベルリン工科大学留学中も暖房に関する事を研究したので、私の本来の専門は暖房工学あったのかもしれない。しかしドイツでカッヘルオーフェンと言う古来の暖炉と出会い興味はそちらへ移ってしまった。

  高温水暖房:空気調和・衛生工学会誌:1969年3月号    
  Bestimmung von Kuellasten mit Hilfe einer drehbaren Messstation HLH 1969.06    
   ペルチェ式空気調和装置の応用領域(Ch. Schneider)抄訳、空気調和・衛生工学昭和 46(1971)年6月  
   電気式天井パネルヒーティングの実験研究、日本建築学会大会学術梗概集(近畿)昭和55(1980)年9月  
   住宅換気の問題点Prof. Dr.-Ing. Karl Gertis 抄訳;空気調和・衛生工学第54巻、9号昭和56(1981)年9月号  
   ヘルマン・リーチェル研究所創立100年祭に出席して、月間「設備設計」第22巻(1986年)5月号  
   床暖房システム(2)Dr.-Ing. Peter Schmidt 抄訳:空気調和・衛生工学第61巻、6号昭和62(1987)年2月号  
   低温式暖房用放熱器の放熱量、月刊「設備設計」第23巻(1987年)6月号  
   放熱器の配置が熱的快適性と熱損失にいかに影響するかHans Erhorn抄訳:空気調和・衛生工学第61巻、9号昭和62(1987)年9月号  
   エネルギー自立型の社会造りを目指して、ソーラーシステム振興協会、「太陽のたより」2002年3月号  
   インタビュー、元シュッツトガルト大学教授ハインツ・バッハ博士:IBEC No.149,2005年7月号  
   放熱器と建築仕上げに関する考察:月刊建築仕上技術20068月号  
   陶製放熱器ーKachelofen-に関する考察:空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集2006.9  
   ヒポカウステン暖房(Hypokaustenheizung)から近代的な冷暖房まで放射成分を中心とした冷暖房の考察:冷凍空調設備2006年9月号、10月号  
   ブルーノ・タウトにより計画された住宅と暖房設備:「設備設計」第42(2006)巻11月号  
   暖房用放熱器の二次的機能に関する考察建築設備士、2006年11月号  
   陶製放熱器-Kachelofen-に関する考察(第2報)空気調和・衛生工学会講演論文集2007年9月仙台  
  1920年代にドイツの鉄鋼業B社が日本の建物に輸出したボイラに関する調査、日本設備設計家協会「設備設計」43巻2007年11月号   
   鋳鉄製調理暖炉に関する調査空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集2007年11月号::  
   鋳鉄製暖房用暖炉に関する調査:空気調和衛生工学会論文報告集2008年1月号  
  ブルーノ・タウトの作品と建築設備の変遷:空気調和衛生工学会論文報告集2008年7月号   
   木毛繊維断熱板で外断熱を行った高気密・高断熱住宅 月刊建築仕上技術2016年9月号  
   ブルーノ・タウトにより計画された住宅と暖房設備:設備設計第42巻11月号  
   High Efficiency Small House in Musashino City, Tokyo, SHASE Neeting, Kouchi, 2017.9.13~15  
   Research on Tiled Stove (Kachelofen) 2022年度空気調和衛生工学会大会学術講演会(神戸)梗概集  
   A Survey of Cast Iron Fireplace in Germany2023年度空気調和衛生工学会大会学術講演会(福井)梗概集  

ニュールンベルクのゲマニア国立博物館に展示されているカッヘルオーフェンです。
上記のカッヘルオーフェンの一枚毎のカッヘル(化粧タイル)の模様です。てください。
カッヘルの模様はキリストに関するもの、単に草花をモチーフにしたもの、馬や鹿など
身近にいた動物を描いたものなど様々です。 
 これもカッヘルの模様を示したものです。人物が模様になっています。
 スイスノチューッリヒの博物館に展示されているカッヘルオーフェンの部分です。
 スイスのチューリッヒの博物館に展示されているカッヘルオーフェンです。
 
 ドイツのヴァルテブルグ城にあるカッヘルオーフェンです。マルチン・ルター
1483~1546)がこの城に幽閉されながらギリシャ語の聖書をドイツ語に翻訳
したとされる房にあるカッヘルオーフェンです。
 カッヘルオーフェンは放射による柔らかい放熱をします。現在でも好まれて使用されています。
これはバイエルン州のHolzkirchenの食堂で写したものです。
上記のカッヘノーフェンを別の角度から撮影したものです。 
上記のカッヘルオフェンのカッヘルにあるもうようです。ここでは動物が用いられています。
このようにして凹凸を設けることで放熱面積を増大させて
  これも上記カッヘルオーフェンの模様です。
 ここではカッヘルの模様に人間が用いられています。
 南ドイツで現在も一般のレストランで使用されているカッヘルオーフェンです。
 ミュンヘンのマックス・ヨゼフ広場に堂々たる姿を見せるバイエルンの支配者ヴィッテルスバッハ家の宮殿レジデンツ。現在の姿になったのは19世紀の半ばにルートヴィッヒ1世が大規模な拡張工事を行った結果である。このレジデンツには沢山の暖炉が飾られている。バロック調の暖炉である。

 ミュンヘンにある宮殿”レジデンツ”にある暖炉である。正式にはカッヘルオーフェンと呼ぶべきでないと思うが、一般にカッヘルオーフェンと呼ばれている。 
ミュンヘンのレジデンツにある丸形暖炉(Rundofen) 
   ミュンヘンの宮殿”レジデンツ”にあるバロック調の暖炉。