〇暖房技術
大学の卒業研究は「パネルヒーティング」という床暖房に関するものであった。ドイツのKollmar/Liese著“Strahlungsheizung”を読み、その理論と実際が合うかという内容であった。大学の中に床暖房の実験装置を作り、実験したが工事が遅れ、コンクリートが十分に乾かないうちに測定をしなければならなくなった。結果は「理論と実験結果が合うと言えば合っている、でも違うところもある」といった怪しげな結論になってしまった。でもどうにか卒業させて頂けた。修士課程では「地域暖房に関する研究」を行った。「効率の良いボイラーと良くないボイラーが配管で接続されており、変動する熱負荷に対しどのように運転すれば経済的か?」と言う問題を「線形計画法(リニアプログラミング)」という解法を用いて説いた。現在ではPCであっという間に解ける問題に時間をかけて一生懸命行った。ベルリン工科大学留学中も暖房に関する事を研究したので、私の本来の専門は暖房工学あったのかもしれない。しかしドイツでカッヘルオーフェンと言う古来の暖炉と出会い興味はそちらへ移ってしまった。
ミュンヘンの宮殿”レジデンツ”にあるバロック調の暖炉。 | |